専門分野をやさしく読み解く本
暦生活で記事を書いてくださっている柴田佳秀さんの本『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑』と、櫻井大典さんの本『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方食材帖』をご紹介します。野鳥と漢方、一見どちらも専門性が高く難しそうな分野ですが、はじめての方でもやさしく読み解ける2冊です。
『街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑』
歩いているとふいに、鳥の声が聴こえてくることがあります。
「ピーヒョロヒョロ」など珍しい声。ただ、実物をみても結局どんな鳥なのか分からず、家に帰ってモヤモヤ..。
そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方にぴったりな「野鳥図鑑」をご紹介します。
この本は、国内で観察できる野鳥のうち330種類が掲載されています。
一般的に「図鑑」というと専門的で難しいイメージですが、この本は、初心者でも分かりやすいことが大きな特徴です。
まずページを開いてパッと目に入るのは、色鮮やかな野鳥の写真。
模様や色、かたちの特徴などが視覚的に分かりやすくなっています。
さらに野鳥を説明するコメントも、印象深い言葉で綴られています。
「ヒーヨと鳴くからヒヨドリ」
「本当は目は白くないメジロ」
「駐車場を走る白黒の鳥」
「ベレー帽をかぶっているようなシギ類」
など、声や名前、シーン、見た目から判別する切り口で話が展開されるので、おなじみの野鳥でも新たな魅力を次々と発見できます。
ページ横にある小さなアイコンたちも分かりやすさを後押ししてくれます。
特に、「野鳥がどこに生息しているか?」を表す5種類のアイコンはイメージしやすく、ページ全体も生息地順で構成されているので、あとからでも調べやすくなっています。
そのほか、同ページ内には「鳴き声」や「メスやオスの見分け方」などプチ情報も掲載されており、知識を豊かに広げてくれます。
さらにもうひとつ大きな見所は、巻頭についている「大きさで見分けよう」のページ。イラストとともに野鳥の大きさが紹介されていますが、色々な種類の野鳥と比較ができるので「さくいん」としても活用することができます。
そのほか、「各部名称」「用語解説」「和名さくいん」など、図鑑には欠かせない基本情報もたくさん詰まっています。
持ち歩ける軽さとサイズ感もうれしいポイントですね。
街歩きのおともに、バードウォッチングに。
ぜひこの野鳥図鑑を連れて、奥深き野鳥の世界を広げてみてくださいね。
著者:柴田佳秀(しばたよしひで)さんからのコメント
私は、バードウォッチング初心者の方をご案内することが多いのですが、前から使いやすい図鑑が欲しいなと思っていました。それを実現したのがこの本です。書くのに一番心がけたのが読んで面白い内容にすること。そして図鑑は外で使ってこそなので、持ち運びが苦にならない軽さにこだわりました。鳥の識別は野外で実物を見たときに分かるのが鉄則。この本がきっかけで鳥の世界を知ってもらえたら嬉しいです。
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書籍「街・野山・水辺で見かける野鳥図鑑」
著者:柴田佳秀
監修:樋口広芳
写真:戸塚学
発行所:日本文芸社
ページ数:384ページ